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マシュマロボイス

第4章 “それが僕らだ”

「そういえば、なんでむっとしてたの」

「え?」

「俺が来たとき、なんかすっげぇむっとしてたじゃん」

「えっと………」

黙りこんでしまった。

「俺には言えない話だった?」

「ううん!違うよ!だけど……」

「だけど?」

問いかけると、
ゆっくりと唇を動かした。


「酷いこと、しちゃ、た」


「え?“酷いこと”?」

聞き返すと、哀しそうに頷いた。

「誰に、何しちゃったの?」

カズは、
「潤君の知らない人だよ」
って、言って誤魔化そうとした。

「知らなくてもいいから。教えて」

少しでも、楽にできればいい。
カズの重荷にならなければ。

「でも、学校一緒だから……」

「学校?なら、俺も知り合いかもしれないじゃん」

学校が一緒なら、名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれない。

「俺、謝んなきゃ……」

「学校一緒なら、尚更な。で?誰?」





「相葉、雅紀…君」




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