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マシュマロボイス

第1章 花が舞う

なんとか宿題は終わって、
時計はすでに8時を指していた。

「あ、やべぇ帰んないと」

「えー、泊まっていきなよー」

俺に勉強を、教えるのを数時間前からすっぽかしてた大野が、
ベットの上でバタバタ手足を動かして駄々を捏ねはじめていた。

「泊まれないし。てか、大野の両親にも迷惑かけると思うし……」

「えー、そんな心配いらないよー。だって母ちゃん相葉のこと大好きだもん」

大野の話を聞きながら、
荷造りをしていた。

「でも、帰るよ」

「やーだー!帰らないでー相葉ー!」

背中を向けた瞬間、
後ろに大野が飛び付いてきた。

「ちょ、大野!俺、帰るって……」

「やだやだ!」

大野は、身軽だからすぐにこういうこともしてくる。

「だから…」

ガチャ。

「……今、なに中?」

部屋の扉を開けたのは、
大野の妹の絵美ちゃんだった。

「お、絵美おかえりー」

「俺の背中で、言わないでよ!あ、絵美ちゃんお帰りなさい」

「…相葉さん泊まるの?」

「あ、ううん。今帰─」

「そう。お泊まりー。母ちゃんに言っといてくれる?」

「……わかった」

え、えー!?

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