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マシュマロボイス

第4章 “それが僕らだ”

「…わかった」

その時だけ。
その時だけ、恋人になればいいんだ。

「本当!?嬉しい♡」

本当に嬉しそうに笑って、
俺に飛び付いてきた。

「おい、やめろよ。今は…」
「家に帰るまでがセフレ♡」

「…なんだそれ」

あまりにもくだらなくて、
笑ってしまった。

「松潤、ありがと♡好きだよ♡」

サトシが喋る言葉一つ一つに、
“松潤が好き”って想いが込められてるみたいで恥ずかしくなる。

カズでは、感じられない感情。

「ニノのこと、好き?」
「えっ」

急に真面目なトーンで聞かれたから
ビックリした。

「俺にはね、そうは見えないよ」

「どういうこと?」

「ニノも、松潤も、二人とも“好き”って感情を勘違いしてる」

言ってる意味がわからない。

“好き”を勘違い?
そんなこと、するわけない。

「だから、ニノのこと好きじゃなくなったんだ」

「え?カズのこと、好──」
「好きだった。一目惚れだよ」

もう、過去形なんだな。

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