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マシュマロボイス

第5章 届かないこの声も-前編-

(相葉side)

朝から二宮君に会って、話して…
少しは距離が縮まった気がする。

……仲良くね。
友達として、だよ。

二宮君を好きなはずがないんだ。
だって、男の子だし。

男が男を好きになるはずないんだ。

だからね、こんな気持ちも……
ムズムズする気持ちも……

多分、二宮君に向けたものじゃない。

そう。多分……ね。

だって、だってだってだってだって!

…………違うし。

二宮君を好きなはずが…………ない。


なんか、ちゃんとした根拠なんてないんだよ。

だけどね?だけど、だけど!

この気持ちは、違うと思うんだ。
二宮君が好きなんじゃなくて、

“唄”が好きなんだ。

このムズムズする気持ちは“唄”に対してのものだと思う。


「───雅紀!」


「うおっ!!」

耳元で急に名前を呼ばれたから、
ビックリした。

「何、怖い顔してんの。」

翔ちゃんは、俺の両頬を片手でまとめるようにむにってした。

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