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マシュマロボイス

第5章 届かないこの声も-前編-

ぐちゃぐちゃ。
頭も、心も、ぐちゃぐちゃ。

「相葉?」

「お、れ……」

ダメだ。なんて言えばいい?

「え?」

大野が俺の顔を見て、少し顔が歪んだ。

「……え?」

声が震えてた。



「なんで、泣いてるの?」


気づかなかった。
自分が泣いてることに。


「え?泣いて、なんて……」

頬を撫でると手が濡れた。

「泣いてるでしょ」
「うん」

「泣かせるつもりはなかったんだ」

大野が心配そうな顔して、
俺の涙を拭った。

「大野…なんでそんなこと言うの?」

「え?」

なんて言ったらわかんないから、
聞いたらわかんないから。


「二宮君と、付き合ってほしいから」


「……え」

大野、二宮君が好きなんじゃ?

「俺、二宮君の彼氏とセフレなんだ」
「へっ!?」

食い気味に声が出た。

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