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マシュマロボイス

第5章 届かないこの声も-前編-

大野が、二宮君の彼氏と……。

「えっ!?」

信じられなくて、何度も声をあげる。

「本当だよ?何回も寝たもん」
「……」

何故か、俺が照れてきた。
だって、普通に「寝た」なんて言われたらこっちが照れる……。

「なんで、相葉が照れてんのー?」

笑いながら俺の肩をバシバシ叩く。

「ご、ごめん…」
「謝んなくていいんだよ」

大野はずっと笑ってて。

「で、相葉には二宮君と付き合ってほしいのね。」

急に真面目な顔して言ったから、
ビックリして体がピクッて動いた。

「二宮君の彼氏のことが好きなの?」

「そう。よくわかったね」

その言葉に続けて、
「相葉にしては、珍しい」
と、随分失礼なことを言った。

「え、でも…」

俺は何をしたらいいのかな。
二宮君を“オトス”とか無理だよ。

「大丈夫、心配すんな。もう、手は打ってあるからさ♪」

いつもの柔らかい笑顔でそう言った。

「や、でも…二宮君が可哀想…」

二宮君は、その人が好きで付き合ってるんでしょ?

その幸せを奪うことなんて、
俺には出来ない。

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