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マシュマロボイス

第6章 届かないこの声も-後編-

今にも溢れ落ちそうな涙。

なにか、辛いことでもあったのかな?

俺は、二宮君の手を握った。
握った瞬間、二宮君の体が強張った。

そして、目が合った。
涙目の二宮君と。

俺が微笑みかけると、
二宮君も微笑んでくれて、

右腕で涙を拭ったんだ。

そしたら、今度は涙が溜まってない目と目が合った。

「俺、この唄好き」
「本当に?」
「うん。春って感じ」
「そーかな」
「そうだよ。」

二宮君は、楽しそうに笑った。

この『season』って唄が終っても、
嬉しそうに、楽しそうに、笑ってた。

それが凄く嬉しかった。
だから、俺も釣られて笑った。

「相葉、ちょっと……」
「ん?」

二宮君に手を引かれて、
顔を近付けられた。

「ビックリしないでね?」
「え、うん…わかった」

「ちょっと耳かして」

そう言われたから、
素直に耳を二宮君に向けた。

「俺さ……」

声が震えていた。

「実はさ……」

俺の耳に当ててる手にまで震えが
伝わってきていた。

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