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マシュマロボイス

第6章 届かないこの声も-後編-

「俺、潤君と付き合ってる」

「……うん、知ってるよ」

潤君から「付き合ってる」とは聞かなかったけど大野とセフレだってことは
今日話しててわかった。

だから、大野の言う“二宮君の彼氏”は必然的に潤君になる。

「え、知ってるの?」
「うん。知ってた」

同じ人が好きなのに。
なんで、こうも潤君と俺は違うんだろ。

「気持ち悪いって、思わないの?」
「うん、思ってないよ」

だって、俺は二宮君が好きだから。
もう、気付いちゃったから。

「俺、男が好きなんだよ?」
「うん、分かってるよ」

俺だって、男が好きだから。

「はあ……相葉は優しいね」
「そんなことないよ」

優しくなんかないよ。
大野に“もう、手は打ってあるから”
って言われたとき。

俺、二宮君と付き合えるって思った。
一瞬でも……
二宮君の幸せを奪おうとした。

「相葉、聞いてくれる?」
「うん」

「潤君、なんか変なんだ」

二宮君の話はここから、始まった。

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