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マシュマロボイス

第6章 届かないこの声も-後編-

微笑んで見せると、潤君は戸惑ってた。

悲しい?嬉しい?寂しい?
どの、感情なの?

潤君は、今、何を考えてるの?

「に、二宮君…?」

後ろから、相葉の声が聞こえた。
優しい、柔らかい声。

「あ。相葉」

微笑んで振り返ると、
相葉が何だか慌てて「大丈夫?」と聞いてきたんだ。

なんで、なんで、分かるの?
俺、普通でしょ…?

「潤君、ごめん…」

そう言ったのは、俺じゃなくて
相葉だった。

「え?」

その言葉に反応したのは、俺。

「ちょっと、話したいから…。
店、出ちゃおうか」

相葉は、無理して笑ってた。

きっと、
相葉には辛い内容なんだと思う。

表情で分かっちゃうもん。

相葉は、顔に出やすいから。
相葉は、声に出やすいから。
相葉は、行動に出やすいから。

相葉は…………。

俺、潤君と付き合ってるんだよね?
今、目の前に潤君がいるのに。

他の人のこと、考えてる…。

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