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マシュマロボイス

第7章 二回のwink

『本当に、ごめん…』
「いいよ…」

何回も、聞いた。
“ごめん”って。

「潤君は、智と…付き合うの?」

俺がその言葉を発した瞬間、
相葉が息を呑み込んだ。

『……うん』

何とも言えなかった。
言葉の代わりに涙が出た。

そしたら、相葉が俺のスマホを取り上げて耳にあてた。

「潤君、俺だよ。相葉」

相葉は電話で話してるときも、
しっかり俺を見つめて頭を撫でてくれていた。

その行動が、俺に安心感をくれた。

「うん、えっ。あ、うん」

一瞬だけ、俺から目を逸らした。
でも、すぐに目を合わせてくれた。

でも、なんかさっきの目と違う。

戸惑ってる。
目が、泳いでいた。

「で、でも…」

相葉は、潤君の言葉に真剣に耳を傾けてる。

……なんの話?

率直にそう思った。

「わかった…うん、うん」

区切りのいい所まで話が終わったのか
俺にスマホを受け渡した。

「も、もしもし」

『カズ』

「は、はい…」

『今まで、ありがとう』

思ってもなかった。
潤君に“ありがとう”って言われるなんて。

「うん、俺こそ。」
『じゃ、またな』

電話が切れると、相葉が
「大丈夫?」って心配そうな顔をして聞いてくれた。

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