テキストサイズ

マシュマロボイス

第8章 こんなキモチ嘘じゃない

─────

……逆に、気が重くなった。

どうしよう。
昨日は「寝ればオッケー!」ってなったけど…。

天気の良い朝に、俺の中は嵐だよ。

ああー!どうしよう、どうしよう!

「雅紀ー?遅刻するわよー!」
「はーい!」

取りあえず学校には行かないと。
二宮君とはクラス違うし。

そう。会わなきゃいいんだ。

でも……会いたいなあ。
でも、会ったら気まずいしなあ。

「行ってきまーす」

ドンヨリとしたオーラを纏って、
家の玄関扉を開けた。

「雅紀、おはよ」
「翔ちゃん…おはよ」

「お前、どうしたんだよ」

「あはは…学校行きたくない…」

初めて学校に行きたくないって、
翔ちゃんの前で言った。

「熱あんのか?」

冷たい翔ちゃんの手が額に触れる。

「無いよ、無い」

額から手を離した翔ちゃんが額を
ペチッと叩いた。

「痛いよ、翔ちゃん…」
「なんだ、また色恋か?」

呆れるみたいにため息をついた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ