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土砂降り

第10章 10

赤岩の家は、大きめの一軒家だった。

一目でお金持ちだとわかる程度には立派だ。
駐車場のシャッターとかがそれを物語っている。

赤岩に続いて家へ入る。

「お邪魔します。」
靴を揃えて下駄箱へ寄せる。

「気遣いはいらないよ。どうせ誰もいないから。
午前中はお手伝いさんが掃除とかしてくれるけど3時には帰ってるはずだから。」

赤岩の後に続いて階段を上がる。
「ご家族は?」

「親父は仕事で殆ど帰らないよ。兄貴が2人いるけどそれぞれ一人暮らししてるし、母親はいないんだ。猫が一匹いるよ。見つけても触らないほうが良いけどね。懐かないどころか引っ掻くんだよ。」

赤岩の部屋かな?ベッドルームなのかシンプルな部屋だ。
「ここは?」

「俺の部屋。好きにしてていいよ。冷蔵庫の物は好きに飲み食いして構わないよ。」

大きいベッドに小型の冷蔵庫とテーブル。
壁掛けの液晶テレビに勉強机。

必要なものだけをシンプルに揃えてある。
効率型というか、神経質という印象の部屋だった。

赤岩は普段遠目から見ていると、人に囲まれて盛り上げ上手の気遣い上手。所謂、明るい人気者だ。

そんな赤岩から、この神経質な部屋はちょっと違和感を感じる。

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