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土砂降り

第4章 4

山上 春樹
同じクラスだが、歳は僕のひとつ上。小学校の時に一年間入院してて一つ下の学年にいる。

僕の母が看護師をしていて、病院から出られない春樹の病室に、僕は良く通わされていた。
話をしたり、遊んだりもしたが、大抵僕は春樹のベッドの横に座って本を読んでいた。

本を読む僕の隣で春樹はただにこにこしていた。
もっと言うとニコニコしながら僕の世話をしていた。

お見舞いのリンゴを本を読む僕の口に小さく切って入れてくれたり。
僕のクリクリと邪魔な前髪をピンで止めてくれたり、飲み物を飲ませてくれたり。

春樹が僕の世話を焼くのが好きだ。と言うから、僕は黙ってそれを受け入れる。

健人と春樹は数少ない僕の友達の中でもかなり特別な存在だと思う。

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