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土砂降り

第5章 5

今日は金曜日。

体育の時に赤岩のクラスと僕のクラスでサッカーをした。

僕はコートの外から赤岩と健人がボールを取り合ってるのを眺める。

2人とも上手いな。

赤岩が健人からボールを奪いパスを出した。
赤岩がTシャツの裾を捲り上げて顔を拭いている。
Tシャツから覗く鍛えられた腹に目を取られていると、赤岩が、こっちを見てる?

目が合ってる気がする。
赤岩はニッと意地悪な笑顔を披露するとまたボールを追いかけ始めた。



昼間は晴れていたのに夕方から雨が降ってきた。昨日も一昨日も晴れだっんだけどなぁ。

僕は授業が終わるとすぐに荷物を纏めて図書館へと向かう。

まだ誰もいない。
ソファに座り本を開く。
本を眺めながらも字は読んでいなかった。
ただ本を眺める。

ここはよく雨の音が響く。
扉が開く音、ギシギシと音が近ずいてくる。

本を閉じて赤岩へ近寄ると赤岩の手を握りソファーへ引っ張り歩く。

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