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はな*つむ

第2章 闇烏

 しかし、最初の攻撃は無駄では無かった。
 闇烏は標的を氷雨に定めたらしく、女から反り立った雄を引き抜く。

 ごぽぽっとおぞましい音を立てながら種を沢山含む濃厚な液体が女の中から溢れ出す。

 ぐったりと力を無くし、治まらぬ痙攣に身体を震わせる女を地面に落とし、闇烏は氷雨を見詰める。

(人を手放した! もう少し離れてくれれば……!)

 身構え、新たな符を指で挟みながら闇烏の動きを探った。
 闇烏は反り立ったモノの先から、たぎる物をじわりと溢しながら一歩近づく。

 そして翼を広げると、強く羽ばたいた。
 強烈な風が起き、氷雨を襲う。

「うわぁっ!」

 軽く華奢な彼女の体は風に飛ばされ、壁に叩き付けられてしまった。

 地面に落下し、痛みに顔を歪める。
 近付いて来た闇烏を視覚で捉えた。
最初の一撃は、気を反らすには良かったが全く負担にはならなかったらしい。

 闇烏の全く萎えていないモノがドクン、ドクンと脈打っているのが分かる。

 近くで見て分かった。

 人間のモノとは形が少しばかり違う。
 凹凸の沢山ある表面に血管が浮き上がっている。
不快感すら感じるその物体から滴る液の様子から、液を吐き出す口が先端と、先端より少し根元側の二つが存在していると分かった。

 そんな物で、彼女達は犯されていたのだと知った氷雨は怒りを感じる。

 闇烏は氷雨に手を伸ばした。

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