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愛してない

第1章 戻り人

「ねえ、今どのへん?」

-今、駅ついたよ-

私は車をとばした。駅までは5分、つくまでには間に合うだろう。

「夢、ただいま!」

辻川夢(25)
子供みたいな笑顔が昔から変わらない大輝とは
もう5年の仲だ。
「おかえり!久しぶりだね、あっちはどうだった?」

武田大輝(30)
内科医師で3年間東京で働き、今日地元に戻ってくる予定だった。
月1ではあっていたけど、今日から一緒に暮らすことになる。

「夢は東京では暮らせないよ。」
「東京は行きたくないもの」

自然に手をつなぎながら新居へ向かった。

「帰ったら荷物整理するでしょ?
その間にご飯作っちゃうね」

「うん、ありがとう!楽しみだな」
「明日は、地元の友達のところ、行くんでしょ?」
「あー…そうだね、その予定。」

初めて大輝に会ったのは、地元のbarだった。

大輝は、すごく優しくて
周りからも評判のいい男、だった。

「夢、寝た?」

お風呂あがりの大輝が、背中に抱きついて呟く。

「…寝てないよ、一杯やるでしょ?」
「…そうだね、その後でも時間あるしね。」

「…なんの?」

夢の作った和食で一杯やりながら、
東京でのはなしを色々聞いた。

その夜は、これから一緒にいられる嬉しさで
熱くなってしまった。
気づいたら眠ってしまっていた。

「じゃあ今日、仕事おわり友達と飲みいってくるから!」

ちゅっ

キスをして、スッキリした顔の大輝を
送り出した夢も仕事へ行く準備をした。

ピロん
「おはよ~夢!そういえばさ、帰ってきたんだって?大輝くん!
昨日は盛り上がったでしょ?」

不敵に微笑む顔が浮かぶ。
親友、高橋結花(25)は、大が務める病院の看護師。
結花とは高校からの付き合いで、大輝と付き合ってから
よく一緒に出かけてたから大輝のこともよく知っている。

「おはよ!盛り上がったよ~昨日は♡
今日から大輝先生をよろしくね、ナースさん!」

ピロん
「大輝くんが先生だなんて、やりにくいね!
まず、先生って呼ぶ努力をしまーす!」

きっと大輝にとっても、3年間離れた地元での
初仕事。知り合いがいてくれることが心強いだろう。

ピロん




「ユメ、おはよう。夜ご飯いくぞ。」



…。


仕事おわり、私は足早に駅に向かった。

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