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欲望

第3章 追いかけて追いかけて





先生は咲妃をもう一度抱きしめた


「咲妃とは、ちゃんと付き合いたいから卒業まで待ってほしい。今なんかあったら、進学とかにも影響するって自分でもわかるやろ?」


咲妃は先生の胸の中でこくんとうなづいた


急に下の名前で呼ばれ、余計に顔が赤くなった気がした


「じゃあ、明日からは今まで通り普通にできるな?」


もう一度うなづく


「怪しまれたらまずいから、そろそろ出ないとな・・・」


先生はそう言って抱きしめていた手を緩めた


その瞬間、咲妃は背伸びして先生の耳元で言った


「先生、大好きっ♡」


先生は不意を突かれたようで、ちょっと照れた顔をした


「じゃあ、先生さようならっ!」


咲妃はいつも通りの声で先生に挨拶をして先にトイレから出た


そのまま改札には向かわず女子トイレに入る


鏡を見ると、咲妃の顔は自分が思ったよりも赤かった


・・・先生と両思いやったってことよな・・・?


不安になって心の中で自分に聞いてみる


2度もキスしたことを思い出し、また顔が熱くなった


卒業まで・・・


それは決して短くない


でも、先生が咲妃のことを想ってくれてると知れただけで幸せでいっぱいだった


その日の夜、咲妃は先生といる未来を夢に見た



END










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