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嵐しょーせつ。

第52章 裏切らない気持ち。


避難所に行くと、

「雅紀!ユースケ!」

雅「母ちゃん!」

「よかったぁー。2人とも無事で。」

「大丈夫だよ。にいちゃんたちと一緒だったから。」

翔と智の親も俺の親と一緒にいて、

「翔!」

翔「お母さん!無事でよかったよ。舞は?」

舞とは翔の妹。

「大丈夫。舞は高台にいたみたいだから。」

「翔にぃ〜。」

翔「修!」

修は翔の弟。
まだ4歳。

翔「みんな、無事でよかったよ。」

智も、お母さんとお父さんと合流できて、

おねぇちゃんは県外だからいない。


しばらくすると。

潤「雅紀!翔!智!」

雅「潤!無事だったんだね。」

翔「おばちゃん達もいるよ。ここに。」

潤はお母さんたちがいたことに安心したのか。

智「ちょっ!潤?」

潤「……ハハッ笑よかった。みんな無事で。本当よかった。」

けど、俺には一つ心配なことが。

雅「…和也。和也がまだ、ここにいない。」

そう、和也の存在。


俺らは裏切られた。

「雅紀!和也くんたちの家が。」

俺の母ちゃんから聞いた。

和也の家は倒壊して、

和也が下敷きになってるらしい。

おばちゃん達は家にいなかったみたいだから
ただ一人。和也がまだ、家の下敷きに。

幸い、海なしなし県だから津波はない。

おれは早く助けたいと思った。

助けに行きたいって。

智「いーよ。あんなやつ。幼なじみじゃない。」

潤「そうだな。」

智と潤は和也に怒っている。

俺は呆れたように。

雅「なぁ。確かに和也は俺らのこと裏切ったよ?だけど、仲間じゃん?俺たち和也なしじゃ生きていけないじゃん?」

そう。和也は俺らの幼なじみ。仲間。

翔も、迷ってる様子。

雅「……もういい!俺は和也を助けに行く。もう知らない!」

3人にそれだけ、言い残し……

「にいちゃん!俺も行くよ!和にぃ助けなきゃ。」

ゆーすけも、和也のこと助けに行きたいっていうから

雅「おう!行くよ。」

俺は振り返ると、三人はまた迷ってる様子。


仲間だと思ってたの俺だけか。

翔も智も潤も。

和也のことはどうでもいいのかよ。

信じられない。

人の命助けないとダメなのに。

そんなこと思っているうちに和也の家に着いた。

!?

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