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嵐しょーせつ。

第74章 五つ子の絆。

雅紀said

親父の通夜。


母さんたちに会いたくなかったけど、


親父には謝りたかった。



だから、ちょうどみんなが、はけたとき、


俺は親父の目の前にたった。

雅「……親父……ゴメン!


本当は顔を合わせて言いたかった……


本当にゴメンね……泣」


俺はあまり泣いたことなかったけど、

親父に悪いことしたし、母さんにも

智達にも迷惑かけちゃった。

その思いが今、溢れ出しちゃって、

泣いた。


雅「…なんで……なんでだよ!……


俺が……1人前になる前に……死んじゃうの?


1人前になったら、親父に謝りたかったのに……


なんで……なんで死んじゃうの?……

居なくならないでよ……泣」


俺は想いを親父にぶつけた。



ここにいるともっと言いたいことが出てくるから、

俺は立ち上がり、帰ろうとした。


?「……おい!」

この声って……まさか……

雅「!?!?」


振り返ると、そこには

翔「……雅紀……お前っていうやつは!!」

智「…やっと会えた。」

和「……なんだよ…来てくれるなら俺らに会ってけよ。」

潤「…ったくもう!」


俺は、

7年ぶりに

兄弟4人と会った。


だけど、迷惑かけて、


話すこともなかった俺はその場から逃げようとした。


和「……なんで逃げんの?」


俺の腕を掴んで抱きしめてきた。

和也は、

和「……俺ら、やっと雅にぃに会えたんだよ?」


雅にぃ。


その呼び方は

中学校のころまで
潤と和也は呼んでくれていた。

雅「……離せよ……俺、お前たちに話す資格もない。」

俺は和也と離れて、

雅「……お悔やみ申し上げます……」

そう言って、場を後にした。


ゴメンね…



でも、久しぶりに雅にぃって呼んでくれてありがとう。


同い年なのに、

にぃって呼ぶことなんてなかったのに。


俺も。

雅「…翔にぃ……智にぃって呼んであげればよかったな……」


独り言のはずだったのに……

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