嵐しょーせつ。
第110章 …
閉じ込められて、どれぐらい経っただろう。
まだ、1時間とかだから、資料を集めるのに
別にこんな時間なんて当たり前だから気付かないだろう。
クッシュン…
雅「和也?大丈夫?」
和「…うぅ。ズッ…クッシュンっ…」
4月だけど、まだ寒い。
ここは離れにあるからもっと寒いよな。
雅「…和也。これ着て?」
俺はジャケットを脱ぎ、和也にかけてあねた。
和「…雅紀…大丈夫なの?ズッ…」
雅「うん!俺、暑がりだから大丈夫!」
タンカ切って、言ったものの。
時間経つにつれて寒くなっていった。
雅「…はぁー…誰も来ないね。」
和「…うん。これってさ罠?」
雅「…わかんない。誰も恨み買うようなこと
してないし…和也もだろ?」
和「…うん。」
智達が気づいてくれれば…
和「…ねぇ…」
雅「ん?」
和「…こっち来てよ。寒いから…
2人でくっついてれば、暖かいだろ?」
雅「ふふっ笑そうだね。」
2人で寄り添っていれば、心細くない。
ケータイも圏外で繋がんないし、
和「…お前、冷えてんじゃねぇーか。」
雅「え!?」
和「もう、我慢し過ぎなんだよ!お前は!」
そう言って和也は俺のジャケットを返してきた。
和「俺は大丈夫だから。」
それでもクシャミしてる和也を見ると、
いてもたってもいられなくて、
雅「ほら、一緒に入ろ?」
俺のやつは和也よりデカめだし、
寄り添えば入れるだろう。
もう夜だろうな。
今日はもう探しにきてくれないだろ。
今日はここで過ごすのかな?
諦めていた時…
ガチャッガチャッ…
?「おい!和也!雅紀!いるか?」
?「いたら返事しろ!」
扉の向こうで聞こえる声…
それは今、一番聞きたい声だった。
雅「翔!」
和「潤!」
翔「…雅紀!和也!ちょっと待ってろ。」
潤「翔早く!鍵!」
智「2人とも大丈夫だった?」
扉の向こうから心配してる声が聞こえた。