君のそばに
第8章 お餅焼きし者
フジ「 あ、あの... 」
キヨ 「 っ!!?な、なんでここにいるんだよ! 」
俺はあまりにびっくりしすぎてイスから転げ落ちた。
キヨ 「 いたたた...、お前いつからそこに.. 」
フジ「 え、えっと...3時間目の授業が始まってからかな? 」
キヨ 「 はぁ!?お前サボったの? 」
フジ「 うん、それにたまにはキヨとふたりきりもいいかも..なんて思って 」
フジは照れたのか、頬をポリポリとかく。
フジ「 あ、はい、立てる? 」
フジは俺に手を差し出す。
...が、俺は反射的に手を払ってしまった。
まずい。
フジ「 った...、キヨ大丈夫? 」
少し傷付いた顔で俺を見つめてくるフジ。
見るな。
見るな見るな見るな。
フジ「 ご、ごめん..俺なんか気に触ったことしたかな? 」
キヨ 「 なんでもねぇよ、わりぃ 」
フジ「 い、いや..えっと... 」
俺たちの間に1つ、見えない壁が出来た。
でも、これでいい。
こいつを傷付けたら、こんな変な気持ちくらい忘れられる。
こんな気持ち...。
フジ「 キヨ...あのさ... 」
♪キーンコーンカーンコーン
丁度、フジがなにかいいかけたタイミングでチャイムが鳴り遮られる。
ヒラ 「 フージー!! 」
ドタドタドタッと行き良いよく前のドアから入りフジに抱きつくヒラ。
...っ。
フジ「 あ、ヒラ〜お疲れ様、早かったね 」
よしよし、とヒラの頭を撫でる。
気に食わねぇ。
キヨ 「 ちょっと、わりぃ、今日別の奴と昼食う約束してっから今日俺抜きでよろしく 」
フジ「 え?ちょ、キヨ! 」
俺は颯爽と鞄から弁当を取り出して屋上に逃げた。
いや、もう逃げるしかなかった。
フジ「 ...キヨ.. 」
ヒラ 「 ??どうしたのかなキヨ 」
コ-スケ「 ...はぁ、仕方ねぇなぁ 」