君のそばに
第8章 お餅焼きし者
...手、叩いちまった。
そんなつもりじゃなかったのに、なんであんなことしちゃったんだろう。
カッ、となったことだけは分かってる。
両想いのやつに片思いしてるやつならわかるだろ?
叶わない恋ってわかってんのに、優しくされたら...
誰だって腹くらい立つって。
キヨ 「 ああ〜もう、ほんと調子狂う 」
俺はコンビニで買ったサンドイッチを貪り食う。
キヨ 「 ...っわ、冷たっ! 」
俺の頬にひんやりと冷たいなにかがあたる。
コ-スケ「 バーカ、親友置いてくんじゃねぇよ 」
キヨ 「 こーすけ...、なんでここってわかったんだよ 」
コ-スケ「 お前のことなんか全部お見通しだよ、考えてることなんか全部分かるぞ 」
こーすけは俺にいちご牛乳をくれた。
俺、これ好きなんだよね〜。
キヨ 「 わり、さんきゅ!俺これ大好きなんだよ 」
コ-スケ「 知ってる、だから買ってきたんだよ 」
こーすけは俺の隣にすとん、っと座った。
こーすけには適わねぇや。
俺も座る。
コ-スケ「 ...んで、なんかあったのか? 」
キヨ 「 っ!?ゲホッゲホッ...な、なにいきなり!なんもねぇよ!! 」
コ-スケ「 お前フジが好きなんだろ? 」
キヨ 「 なっ!!? 」
こーすけは、にやぁっと笑いながら、
コ-スケ「 図星だな? 」
と、言った。
キヨ 「 ...でも、フジはヒラが好きでヒラもフジのこと好きみたいじゃん 」
コ-スケ「 うんうん 」
キヨ 「 正直あそこまで仲良さげにされたらさ、まあ一応...す、好きだから妬くじゃんね? 」
コ-スケ「 そうだな 」
キヨ 「 で、二人両想いイコール、俺の入る隙間なしってことじゃん 」
コ-スケ「 ...ぶはっ 」
キヨ 「 な、なんで笑うんだよ!!こっちは真剣に... 」
コ-スケ「 ヒラとフジは俺とキヨみてーなもんだろ 」
キヨ 「 へ? 」
コ-スケ「 だーかーらー、あいつらはあいつらで互いに親友だってことだよ、今俺とキヨがこうやってふざけてんのも嫉妬するやついんだよ 」
キヨ 「 え?ちょっとまってわかんない 」