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君のそばに

第13章 「今日も愛してる」



フジ「 ただいまー 」


俺は違和感を感じた。


家の中は妙に静まり返り、"おかえり"の返事さえ聞こえなかった。


そして、俺が靴を脱ごうと下を向くと、





フジ「 え... 」





そこには、女物の赤いハイヒールが丁寧に並べられていた。



フジ「 どういう...こ..と? 」



俺は頭の中がパンクしそうなほど動揺した。


鼓動が激しく鳴り響き、頭がズキズキする。



呼吸もままならないまま、リビングに向かうと誰もいなかった。






フジ「 え..まさか 」



俺はなんの躊躇もなく寝室へ向かった。

そこから聞こえる小さな女の喘ぎ声。




フジ「 ...ッ!!! 」






そこには、俺の...俺達のベットでいちゃつく彼の姿があった。



女「 ダメだってばぁ...、パートナーさん帰ってきたらどうするのぉ〜? 」


彼「 大丈夫だって..いつも帰り遅いから、あいつ 」


女「 じゃ〜あ〜、今日もいっぱい愛してくれるのぉ? 」


彼「 もちろんだよ、今日も愛してる 」









"今日モ愛シテル"





俺だけじゃなかったの?


愛してるのは、







俺だけじゃなかったの?










俺はドアの隙間からもわかる甘ったるい香水と化粧の匂いに我慢出来ずに、その場に買ってきた物を落としてしまった。



フジ「 ...!!まずい... 」


俺は咄嗟にベットにいる"クソ"に顔を向けた。



彼「 ...!!フ、フジ...これは 」



俺は慌てて家から飛び出した。



今起こったことの処理が追いつかない。





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