君のそばに
第13章 「今日も愛してる」
気が付くと俺は、ずぶ濡れのままこーすけの部屋の前に立っていた。
こーすけには全て打ち明けてある、俺が同性愛者であること、そして、クソのことも。
今の俺に頼れるのはコイツしかいない。
俺は冷えきった指でチャイムを鳴らした。
こーすけ「 ...フジ?どうしたんだお前!はずぶ濡れじゃねぇか! 」
フジ「 あはは、ちょっと色々あって... 」
こーすけ「 ... 」
こーすけは察したのか、無言のまま入るように俺に指示した。
フジ「 おじゃましまーす 」
俺はぐっちょり濡れた靴を玄関の端に起き靴下を脱いだ。
フジ「 あ...こーすけ、ごめん何か拭くもの...って、わぁ! 」
こーすけ「 まあ、なんとなく察しはつくけどとりあえずお前は落ち着け、全身濡れてんじゃねーか 」
こーすけは俺にバスタオルを投げて、俺の髪の毛をわしゃわしゃと拭いてくれた。
フジ「 ありがとう、こーちゃん...へっくしょんっ! 」
こーすけ「 ったく、世話が焼けるなーお前とりあえずそれ脱いで風呂は入れ、ちょうど入れたばっかであったかいから 」
フジ「 え、悪いよ..そんなつもりできたわけじゃないんだ 」
こーすけ「 わかってるわ!...風邪引かれても困るし、な? 」
こーすけはグダグダと悩んでる俺の腕を引っ張って脱衣所に押し込んだ。
こーすけ「 服は俺の用意しとくから 」
フジ「 ありがとう、ごめんね 」
こーすけ「 これくらいなんともねぇよ 」
こーすけの足音が遠ざかる、俺はお言葉に甘えて風呂に浸かることにした。