君のそばに
第13章 「今日も愛してる」
フジ「 こーすけごめん!今出たよ〜先入ってごめんね 」
俺はぶかぶかのこーすけのトレーナーを貸してもらった。
フジ「 ...?こーちゃん? 」
リビングに戻って来た時、こーすけはいなかった。
さっきの風景が蘇る。
思い出したくもない甘ったるい香水と化粧の匂い。
フジ「 ...ッ 」
俺は激しく鳴り響く心拍に苦しみながらその場にしゃがみこんだ。
自分で思ってる以上に、傷が深いのかもしれない。
こーすけ「 ...!フジ! 」
こーすけは俺に駆け寄ってくるなり、後ろから強く抱きしめた。
フジ「 ...!こ、こーちゃん... 」
こーすけ「 大丈夫、今は俺がお前についてるから 」
フジ「 こーちゃん...こーちゃんッ 」
こーすけは俺の濁りきったどす黒い液体の中に、白い一滴の光をかざしてくれた。
こーすけ「 大丈夫、お前はもう何も考えるな 」
フジ「 ...うん 」
俺はこーすけの温かい体温につつまれていつの間にか寝てしまっていた。
こーすけ「 ...フジ 」
こーすけは俺の頭を優しく撫でてくれた。
こーすけがいてくれてよかった。