君のそばに
第13章 「今日も愛してる」
朝起きると、酷く激しい頭痛がした。
フジ「 う...、風邪ひいたのかな..頭痛い 」
俺は見覚えのない部屋をキョロキョロ見回したあと、昨日のことを思い出した。
フジ「 ああ...、こーちゃんの家か 」
俺は、ひとしきりの内容を思い出した後にため息をついた。
フジ「 やっぱ、夢じゃないか 」
少しだけ、夢かもしれないだなんて思ってしまった。
こーすけ「 あ、おはようフジ、お前昨日何も食わずに寝たからお腹すいただろ 」
フジ「 んー、そうでもないかな、食欲ないし 」
こーすけ「 だめ!ちゃんと栄養とりなさい...って、お前風邪ひいた? 」
フジ「 あー、ちょっとそうかもしれない...体温計くれる? 」
こーすけ「 ちょっとまってろ 」
凄いなこーすけは。
俺が熱出してることもわかっちゃうんだ。
あれ?クソ野郎はそんなこと気付いてくんなかったなそういえば...。
ぽっかり空いた心の隙間が埋められた気がした。
こーすけ「 あちゃー、お前風邪ひいてんじゃん、38.3だぞ 」
フジ「 えー、そんなにある?迷惑になるから帰るよ 」
こーすけ「 いーよ、ここにいれば 」
フジ「 いや...でも押しかけちゃったし... 」
こーすけ「 またお前が傷付くかもしれない 」
フジ「 ... 」
俺は何も言い返せず、黙ってしまった。
もしかしたら、今帰ったら彼はいるかもしれない。
もしかしたら、またやり直せるかもしれない。
でも、
もしかしたら、あの子といるかもしれない。
こーすけ「 ...とりあえず、お粥作ったから食べな? 」
フジ「 うん... 」
こーすけ「 今まで頑張ってきた分、俺に甘えていいからさ 」
フジ「 うん...、じゃあだっこしてー...なんちゃって 」
こーすけ「 はいはいだっこね 」
フジ「 わぁ!?ちょ、こーすけ重いよ俺! 」
こーすけはほんとにだっこ..というかお姫様だっこをしてくれた。