君のそばに
第13章 「今日も愛してる」
こーすけ「 こんくらいどうってことねーよ、酔っ払ったキヨに肩貸す方が辛いわ 」
フジ「 あー、確かにキヨ酔うと重いよね〜... 」
俺たちはそんなたわいもない話をしながら、リビングまでお姫様だっこしてもらった。
お姫様だっこなんて小さい頃以来だ。
そういえば、小さい頃お姫様だっこしてくれたのはこーすけだ。
フジ「 昔はよく、こーちゃんにお姫様だっこしてもらってたね 」
俺はイスにおろしてもらい、こーすけを見上げると、少し赤い顔をして目線を合わせてくれなかった。
こーすけ「 ん、とりあえずお粥食え、味が薄かったらセルフでたせよ 」
フジ「 はーい、...ふー、ふー、おいひい 」
俺はそんなにお腹はすいてなかったけど、こーすけが作ってくれたお粥がとても美味しそうでがっついてしまった。
フジ「 ... 」
それに、俺が猫舌なのを知っているのか、お粥はぬるめに食べやすくしてある。
味が薄いのも、俺が薄い方が好きだって知ってるからかもしれない。
こーすけ「 美味しいか? 」
こーすけは、肘をついて嬉しそうに微笑みながら首を傾げる。
フジ「 うん...! 」
俺の冷えきった心の中に、こーすけの温かい気持ちがじわじわと広がった。
こーすけ「 あと、お前の家のことなんだけど 」
フジ「 ... 」
俺はビクッと肩を震わせて固まった。
こーすけ「 俺が全部何とかしとくから、お前は何も考えるなよ 」
こーすけは俺の頭をわしわしと掻き乱した後に、パーカーを羽織って玄関に向かった。
フジ「 こーちゃん、どこいくの? 」
俺は一人になりたくない不安と、こーすけまでどこかへ行ってしまうんじゃないか、という不安で心がきゅんとなった。
こーすけ「 後処理、もう少し来たらヒラが来るからお前は飯食って寝てろ 」
こーすけは、左手をひらり、とひとふりしてから出ていった。
後処理ってマンションのことかな...。
そんなことをうじうじ考えてる間にヒラが来てくれた。