テキストサイズ

君のそばに

第13章 「今日も愛してる」



ヒラ「 こーすけから聞いたよ、昨日雨なのに傘もささずにフラフラしてたって 」


フジ「 あ、あはは...うん、ちょっとそうゆう気分だったからさ 」


ヒラ「 フジの感性は良くわかんないけどさ、君のことを心配するこっちのことも考えてよね 」


ヒラはわかりやすく、溜め息をつく。


ヒラ「 ...昨日ね、こーすけから電話がきたんだよ 」


フジ「 え... 」


ヒラ「 詳しくは教えてくれなかったんだけど、フジのそばにいてやれないかって、詳しく教えてとは言わないけど、昨日のこーすけからは電話越しでも分かるくらい殺気があったな 」


フジ「 ...そうなんだ 」



ヒラ「 こーすけはね、フジのこと誰よりも大切に思ってると思うんだ 」


ヒラは俺の手をぎゅっと握り締め、


ヒラ「 だからフジもこーすけのこと、大切に思ってあげてね 」



ヒラはそう言うと、汗ばんだ俺の額のタオルを絞ってくれた。



フジ「 大切に... 」




俺はヒラのその言葉に後ろめたさを感じた。



俺は今まで、こーすけをなんだと思っていたんだろう。


親友?


いや、違うな。















都合の良い友達だ。








俺は胸がぎゅっ、と苦しくなって呼吸がままならない。



ヒラはきっと、察してくれたのだろうか、俺の髪を撫でるとリビングの方へ行ってしまった。





俺は自然と流れる涙を拭いながら、声を殺して泣いた。







こーすけ、今までごめんね。



ひたすら心の中で謝ることしかできなかった。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ