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センシティブ♥ボーイ

第15章 ヤキモチ






「鈴木くん…なんでもするから…っお願い…ご飯だけは…」

「べ、別に…だめなんて…ダメなんて言ってないだろ?…あれだよ。平日はダメでも、休日は空いてんだろ?会おうと思えば、いつでも会えんだから。」

「鈴木くん…」



そっぽを向きながら、手は離さずにギュッと握ったままそう言ってくれて。


「わ…おま……っちょ、」


嬉しくなってギュっと抱きつくと、力が強すぎてバランスを崩した。

でも、ちゃんとギュっと抱きとめてくれて倒れることはない。
ぐりぐりと鈴木くんの胸に頭を擦り付ける。



「……お前さ。」

「……?」

「その、予備校ってやつは、やっぱ…高校生やらなんやらがいっぱいいるんだろ?」

「う…うん…受験生が沢山…いると思う…」

「…あんまり…話しかけられてもついてくなよ」


鈴木くんの腕に込める力が強くなった。

付いてくって…なんのことだろう…
僕…ただえさえともだちいないのに…。


鈴木くんの香りでいっぱいになって幸せな気持ちになる。



「鈴木くん……」

どうして鈴木くんといると、こんなに幸せな気持ちになれるのだろう。




友達って、こういう存在なのかな。
友達って…いいな…。


なんだかウトウトしてきて、そのまま夢の中に引き込まれていった。






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