
センシティブ♥ボーイ
第21章 好きだってば
「うわっうわっうううわっ」
「え、なに?なに…なになになにっ」
パニックになる佐藤と、それにつられてパニックになる俺。
急になに!!
「お、落ち着けってっ」
慌てて背中をさすると、綺麗な足にぞわっと鳥肌が立っているのが見えた。
こいつ、本当にこれだけで感じてんだ。
「んん…っす、ずきくん…なんで…っ」
「なんでって…お前だろ?予備校サボって俺ん家の前来て寝てたの」
「………あ…僕…ねちゃって…」
俺の家に来たのも忘れていたのか、思い出したように口を開けて、そうだった…とつぶやく。
「ご、ごめ…っ帰るっ」
「帰るって何時だと思ってんだ。泊まってけよ」
「で、でも…カエルにもご飯あげなきゃいけないし…っ」
………蛙?
「お前の家族があげてくれんだろ?」
今時、蛙飼ってる高校生なんているんだ…
ってか、蛙って何食べんの?
「で、でも…僕…」
「まだなんかあんのか」
「え、えとあの…あの……真由美さんに…悪い…から…っ」
「……なんで真由美…」
そこ気を遣うところ俺じゃねーの?
なんで今更真由美なんだよ
真由美は俺たちのこと絶妙なタイミングで邪魔したんだぞ?!
「もしかして……お前」
えぐえぐと、泣き始めた佐藤を見て、俺は佐藤の勘違いになんとなく気がついた。
