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一人でひとしきり感心すると、ツルはまだ信じられないのか独り言のように呟いていた。




「まじかー…サトゥーかー…」

「うん、」

「たかふみ佐藤？よしえ佐藤？」

「後者は音楽教師だろうが」

「一回だけ確認させてほしいんだけど。」

「おう」

「……サトゥーって実は女…ってことはねーんだな？」

「……あのチンコが俺の見間違いじゃなければな。」

「ネコ？」

「向こうな」

「痛がんなかったの」

「わりとヘーキ。」

「……ほう。」


あいつ、敏感だし。
その言葉は飲み込んだ。


いくら親友といえども。

俺だけが知ってる特権だ。
あいつの感じてる顔も、何もかもツルも誰も知らねーんだ。


これだけは教えてやれねー。




「可愛い？」

「おう」

「女子より？」

「おう。」

「真由美より？」

「あたりめーだろ」

「おま…っしばくぞ」

「わりぃわりぃ。でもマジで。可愛い」



そっか。


隣りで小さく呟いたツルの声が聞こえた。
引いてる様子も何もない。


ファミレスで公開告白みたいになったけど。
ようやく溜め込んでいたことを言えて、とてもスッキリしていた。



「だけどお前。マジで勉強しないと。サトゥーと同じ大学とか、選ぶ前にどこにもうかんねーぞ。」

「……」



そーなんだよなー。
ちょっと受験生らしくしてみるか。

佐藤のことを思い出して、天を仰いだ。