
センシティブ♥ボーイ
第24章 あいつのために
暫く沈黙が流れて、思わず覗き込みそうになったところに、ようやく声が聞こえた。
『食べれた!ちゃんと!』
『見せてみ口。あ、』
『……あ……』
『おー、ちゃんと食ったな。ほら、水』
『ありがとう…っ』
嬉しそうな声が聞こえて、パコンと水筒の口が開く音が聞こえた。
なんか……マサが誰かの世話を焼いてるって…おもしれえw
マサのこんなに優しい声も初めて聞いたかもしれない。
いつもマサは優しいけど、いつもの100割増って感じだ。
『すずきくん……』
『…ん?』
『…食べた、よ…?』
『おー。すげえすげえ。ちゃんと食ったな!』
『……』
暫く流れる沈黙。
焦れったくて、ええいと影から覗くと、ちょうどうまい具合にマサは俺に背を向けていた。
うまい具合にサトゥーの顔が見える。
サトゥーは拗ねたような顔をしてマサのことを見つめていた。
