
センシティブ♥ボーイ
第33章 共通の趣味
「飲みもんもってくるから。それまでにこれ着てろ。」
「……え……っや、やだよっ」
「嫌なわけねーだろ?好んで買ったんだろ?」
「ち、ちがうよ…っ僕じゃなくて…っ」
「わかった、わかったから。無理すんな。こっちな。着とけよ」
慌てて誤魔化す佐藤にセーラー服を押し付けると、一階に降りて飲み物を取りに行く。
ついでに風呂を洗って、湯を沸かした。
母さんが帰ってきていたみたいで、
よかったら食べてね♥と書かれた置き手紙とともに、なんか不味そうなドーナツが置かれていた。
なんで料理できないのにドーナツなんか作るんだよ……
真ん中に穴があいているからドーナツってわかるけど、そのほかは微妙だ。
一口食べて味はしなかったけど、我慢した。
水で流し込んで、時計を見る。
さっきより5分以上は経っていた。
たっぷりと時間はやったはずだ。
いくら恥ずかしいって言ってもこのくらい時間が経てばもう着れてるだろ。
鼻歌を歌いながら、そっと扉を開ける。
「んんー……ど…しよ……」
「…………。」
や、やべえ………
かわいい――――。
扉の向こうには、後ろのファスナが閉まらなくて地べたに座りながら一生懸命手を伸ばしている、
それはそれはかわいい佐藤がいた。
