
センシティブ♥ボーイ
第7章 鈴木くんのばか!
「あ…あの…」
こんな変な声を出しておいて、言い訳なんて見つからない。
僕はなにも言えずに俯いた。
坂本先生に知られてしまうなんて…
また涙がこぼれてきて指先でぬぐう。
「あ…えーっと…」
坂本先生は僕のそんな姿に、オロオロそわそわしていた。
「崇史くん、落ち着いて…大丈夫だから…」
坂本先生は、こんな僕を笑うことなく優しく声をかけてくれた。
そしてそーっと遠慮がちに伸びてくる手。
僕は戸惑った。
まだ、触れられると認識しているから大丈夫だとは思うけど、あんな声を出してしまった後だ。
動揺しているし、また声が出ちゃうかもしれない。
「あ…あの…あの…っ」
僕の足はガクガク震えていて。
けれども坂本先生の手はスーッと伸びてくる。
や、やだ……っ
でも…優しくしてくれてるのに手を払うことなんてできない。
どうしたら…
涙がボロボロこぼれて、目をギュッと瞑った。
そして。
坂本先生ごめんなさい…っ
身体を背けようとした瞬間、
「触んな。」
上から声が降ってきて。
僕はまた、救世主に救われた。
