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僕と君と彼と。

第1章 夢

「大丈夫か、ほら。掴まれよ」

手を差しのべてくれているのだろうか。
僕はその手を探した。

「此処だ、ばーか」

言葉とは裏腹に優しく手を取られ引っ張られる。
立ち上がると、手を離される。

久しぶりの人の手の感覚。

少し惜しかった。

「…で、あんた誰」

早速テンプレの様な質問をされる。

「え、あ、あぁ…僕は、三年生の谷中 零だよ。君は?」
「マジか先輩かよ。…俺は二年の瀬野。瀬野 裕真。」

ユウマ君、かぁ。

「じゃあ、これから宜しくね、ユウマ君」
「は、やだよ」

生憎連れない性格みたいで。

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