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僕と君と彼と。

第1章 夢

それでも授業は受けなくてはならない。

僕は杖を手探りで掴み、重たい体を立ち上がらせた。

「……」

面倒。

壁に片手をやりながら歩いていく。
角を曲がれば階段がある。
そこを下に降りれば、三年の階になる。

と、曲がろうとした矢先、

「……っ」
「あっ、あぁ!ワリィ、大丈夫か?」
「…え、?」

ドン、と何かにぶつかった衝撃。
思わず体勢が崩れ、倒れてしまった。

ぶつかったのが人だと気付いたのは、少し遅れてからだった。

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