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僕と君と彼と。

第1章 夢

授業開始のチャイムが鳴った。
今から行ったって、遅刻だろう。
皆の視線を浴びながら教室に入るなら、此処に居た方がマシだ。

「…なぁ、戻らねぇの?」

うつ向いて考えているとそう言われた。

「…え?」
「あ、いや、この方向に歩いてたなら、教室に戻る途中だったのかなって。悪かったな、邪魔して…」

凄い洞察力。
でも、今更戻る気なんて無い。
単位は間に合ってるし、大丈夫か。

「…あ、いや、そうだったんだけど、もう良いや。ユウマ君はどうせサボりでしょ?」

笑いながらそう答える。

「決めつけんなよ、…そうだけど」

拗ねた声が聞こえ、思わずクスッと笑う。

「じゃあ、僕と一緒にサボろうか」
「うわ、不良」
「ユウマ君に言われたくない」

何だか、楽しく思う。
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