テキストサイズ

初カノはエロうさ

第1章 変態な初カノ出来ました

カフェの人集り。

いろんな女の子に囲まれて…そんな俺が見えてる筈なのに、うさこに動じた様子は見られない。

多佳子の登場に、案の定周りの女の子たちが引いていく。

「この前は途中で終わっちゃったからね。早く行こ?」

急かす多佳子に腕を引かれて立ち上がる。

うさこの方を見れば、ガックリとテーブルに頭を落としている。

(落ち込んでる?)

もしかしたら ”嫉妬” かもしれないと期待した俺は、多佳子を連れてうさこの元へと寄り、

「うさこ」

その頭をフワッと撫でた。


「つーくん♡ 」

飛び起きたうさこ。

嬉しそうな顔に、何だか心が擽ったくなる。


だけど、

「……誰この子。妹?」

俺の後ろから顔を出した多佳子に、うさこの顔が曇る。

縋るように俺を見上げるうさこ。

「妹なんかじゃないよ。俺の彼女」

うさこに笑顔を返した俺の言葉に、

ザワッ…

明らかにカフェ内がざわつき始めた。


なのに、当のうさこと言えば、何故かモゾモゾと膝を擦り合わせている。

(照れるとそこがモゾ痒くなるんだ)

そんなうさこにまた笑いが込み上げてくる。



「か、彼女って…翼…っ、正気なの⁉︎ 」

多佳子の問いに笑って頷き、

「多佳子がサークルで使ってる部屋が空いてるんだって。今からそこでするんだけど、うさこも行こ?」

うさこを誘う。


普通に考えたらあり得ないこの会話。

だけど、

「うんっ、行く!」

やっぱりうさこは、満面の笑みで大きく頷いてくれた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ