
初カノはエロうさ
第2章 見たい!見せたい!欲張りな彼女
「……んっ」
苦しげな声に、ハッとして多佳子の身体を離す。
胸元に咲いたいくつもの赤い花。
俺の、吐き出せない…切り離せない…苦しい過去と現実を写したようなその花は、闇の色を混ぜたような赤。
それなのに、満足げに顔を綻ばせた多佳子は、ライトにエスコートされながら夜の大学構内へと消えて行った。
違うとわかっていても…
あの喋り方、
男を見下しているようで必死に縋る様、
立ち振る舞いまで、
母親と、多佳子を重ねてしまう……
縋ることの許されない…
母親が男と腕を組んで出て行く様を見送るしか出来ない…
幼い頃の記憶が頭を掠める。
幼かった俺は、母親にとって邪魔な存在だった。
だけど、大きくなる程に父親に似てくる俺は、母親にとって ”愛しい人の身代わり”
だから、
「うさ、ごめん。遅くなっちゃったね」
うさこ。
こんな俺でも必要としてくれるうさこに縋りたくなる。
「つーくんは…」
「ん?」
「つーくんは、多佳子さんとのエッチ率が高いけど……お、お気に入りなんですか⁉︎ 」
ああ……これは嫉妬?
「んー、気にしたことないけど……あ、多佳子が寄ってくると他の女の子が遠慮しちゃって。だから、多佳子が多くなるのかな?」
多佳子と母親は別人なのに、
他人から見たら全く似ていないかもしれないのに、
重ねて嫌悪する自分が嫌になる。
そんな罪悪感から多佳子の誘いが断れないのかもしれない。
それに、
「多佳子って大学一の悪女って言われてるから、女の子たち怖がっちゃうのかな?」
「悪女…」
「多佳子の命令は絶対って、むしろ取り巻き連中が煽ってるだけなんだけどさ。ライトはうさと同じ1年だからか、断り切れずによく連れ回されてる」
多佳子の取り巻きたちが面白おかしく広める多佳子の本当か嘘かわからないような話。
それを一々否定もせず、むしろ利用してしまう多佳子を面白いと思う気持ちも事実なんだけど……。
苦しげな声に、ハッとして多佳子の身体を離す。
胸元に咲いたいくつもの赤い花。
俺の、吐き出せない…切り離せない…苦しい過去と現実を写したようなその花は、闇の色を混ぜたような赤。
それなのに、満足げに顔を綻ばせた多佳子は、ライトにエスコートされながら夜の大学構内へと消えて行った。
違うとわかっていても…
あの喋り方、
男を見下しているようで必死に縋る様、
立ち振る舞いまで、
母親と、多佳子を重ねてしまう……
縋ることの許されない…
母親が男と腕を組んで出て行く様を見送るしか出来ない…
幼い頃の記憶が頭を掠める。
幼かった俺は、母親にとって邪魔な存在だった。
だけど、大きくなる程に父親に似てくる俺は、母親にとって ”愛しい人の身代わり”
だから、
「うさ、ごめん。遅くなっちゃったね」
うさこ。
こんな俺でも必要としてくれるうさこに縋りたくなる。
「つーくんは…」
「ん?」
「つーくんは、多佳子さんとのエッチ率が高いけど……お、お気に入りなんですか⁉︎ 」
ああ……これは嫉妬?
「んー、気にしたことないけど……あ、多佳子が寄ってくると他の女の子が遠慮しちゃって。だから、多佳子が多くなるのかな?」
多佳子と母親は別人なのに、
他人から見たら全く似ていないかもしれないのに、
重ねて嫌悪する自分が嫌になる。
そんな罪悪感から多佳子の誘いが断れないのかもしれない。
それに、
「多佳子って大学一の悪女って言われてるから、女の子たち怖がっちゃうのかな?」
「悪女…」
「多佳子の命令は絶対って、むしろ取り巻き連中が煽ってるだけなんだけどさ。ライトはうさと同じ1年だからか、断り切れずによく連れ回されてる」
多佳子の取り巻きたちが面白おかしく広める多佳子の本当か嘘かわからないような話。
それを一々否定もせず、むしろ利用してしまう多佳子を面白いと思う気持ちも事実なんだけど……。
