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芸人さん小説集

第20章 勇気


その日の帰り道


俺は、このまま飯塚さんの優しさに甘えてもいいかな、なんて思った。

角ちゃんは俺のことが嫌いだし、虚しくなるだけだから。

この1週間、苦しんだから。
少しだけ、浸ってもいいかなって。



その時だった。



「豊もっちゃん!!」って声がした。
聞き覚えのある、いや、ほとんど毎日聞いている、俺の…好きな人の声。

それでも俺は走り出していた。


今の俺には、あなたと話す勇気がない。



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