芸人さん小説集
第20章 勇気
「恋に理屈はねぇよ」
あのときはかっこいいとしか思わなかった。けど、今なら分かる。
だって俺は気づいてる。自分の、豊もっちゃんへの気持ちが、友達としてじゃないことに。
その間も二人の会話は続いていた。
そして、ありえない言葉が俺の耳に飛び込んできた。
「でも…その…俺は角ちゃんのことが好きだし…。」
豊もっちゃんが…俺のことを好き…?
嫌ってなかったの?俺の勘違いだったの?
でも…1週間ずっと避けてたじゃないか。
パニックに陥っていると、飯塚さんの「知ってる。」という声が聞こえてきた。
知ってたの?!