芸人さん小説集
第20章 勇気
豊もっちゃんが楽屋を出ていった後、俺はまだ飯塚さんがいる楽屋に入った。
角田: 飯塚さん…。
飯塚: 聞いてたでしょ?
角田: まぁ…。
飯塚: 早く行かなきゃ。明日には返事が出ちゃうよ?
角田: 飯塚さんは…何を考えてるの?
飯塚: …二人が上手く行ったら教えるよ。
角田: !あ、あり、がとう…。
飯塚さんが豊もっちゃんをからかったのか、とも考えたけど、そんなわけがないんだ。
だって飯塚さんは、自分から告白したのに、「ありがとう」なんて言っちゃうような良い人なんだから。