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芸人さん小説集

第27章 きっと、これで。


俺はカラオケボックスに通じている右のドアに入ろうとした。
しかし豊もっちゃんは、ゲームセンターに通ずるドアを開けた。

そうだ…豊もっちゃんは「カラオケに行く」なんて一言も言ってない!

俺は、いつもの癖でカラオケに行くものだと思い込んでいた。
だって飯塚さんと一緒に来るときは、2人して「ゲームセンターはガヤガヤしていて苦手」って言って見向きもしなかったから…。


左のドアを開け放ちながら、「どうしたの?角ちゃん入らないの?」と言っている豊もっちゃんを見た俺は、勝手ながら『違う』と思ってしまった。


豊もっちゃんはゲームが好き。
でも俺は歌うのが好き。
そして飯塚さんは-------俺の歌が好きだと言ってくれた。

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