
山岸君と照井君
第9章 溺愛――――…。
「そうだ……照井君は兄弟は?」
照井君は、僕の右側でめんどくさそうな顔をしながら…頭をかく…
「あ〜〜〜〜〜…俺には…姉貴が一人…」
え〜〜〜〜〜〜…お姉さんがいるのかぁ〜!!
「え!え?どんな人?!」
僕は、弟としての照井君が想像できなくて!!つい食いついてしまった!!
が――――――…
自分が…兄達の事を聞かれるのは嫌なのに…
照井君に聞くのは…フェアじゃな気がした……
「どんな人って……」
「あっ!無理には聞かない…」
僕は…照井君の目を―――…
真っ直ぐには…見れない…
「姉貴は、今大学一年で、今年の3月に…俺たちの高校を卒業した…先輩だよ」
僕は、話を続ける照井君に顔を向ける――――――…
「山岸……俺は…姉貴の事を話せるけど―――――…
山岸が…兄貴達の事話難いなら……話さなくていいから……
いつか…話していいって――――――…
思える奴に俺がなるから…」
すーっと…
照井君の手が…僕の手を握る――――――――――…
そう言えば…
誰かと手を繋ぐって―――…
小さい時から―――…
無かったかもしれない…
体育や運動会……学年レクで渋々握る――――――…は、あったけど―――――
