
山岸君と照井君
第12章 別世界―――……。
「お〜〜〜〜〜い!山岸〜帰ろうぜ〜!!」
授業が終わり、鞄に教科書を入れていると…照井君が僕の机まで来て下校を促す
「今、支度をしているだろ!!催促するな!!」
「へ〜い」
ムカ!!まったく!!照井君は!!
僕は、僕なりに急いで支度をしていたのに…
来るのが早いんだ!!
「うわ、これは置いていってもいいじゃん!!」
しまいには…鞄の中身に文句まで!!
「これは、今日の予習に使うんだ!!放っといてくれ!」
照井君は、はいはいっと…呆れた顔をする――――…
そりゃぁ…重いけど…
あれ?重そうな鞄を…気遣ってくれたのかな?
―――――…んな訳ないか…
つーか…照井君のカバンは逆に軽そうだな――――…
ちゃんと…勉強してるのかな?
珍しいな―――…僕が、他の奴の勉強具合を気にするなんて…
