
山岸君と照井君
第16章 自覚―――……。
身支度を整え…
二人で僕の家を出た―――…
まだ、通勤通学には早い時間帯…
学校とは別の方向へ歩き出す―――――…
いつもと違う風景が僕をワクワクさせた…
「――…あ、母さん?友達と、朝飯食べに寄るから…――――…うん、あ〜…ちょっと待って…
苑心、嫌いな食べもんとかあるのか?アレルギーとか?」
隣で、自宅に連絡をしていた照井君が聞いてくる…
「いや…アレルギーとかは無いし、好き嫌いもない…」
「あ、大丈夫だって!
だからって…張り切るなよ!!
あぁ…うん―――…さんきゅう…」
ご家族…お母様との会話だったのか…
乱暴な口調だったり…優しい口調だったり…
仲がいいのが…うかがえる…
ちょっと…羨ましい…
僕は―――…
母と…そんな会話すら…したこと無い…
