
山岸君と照井君
第16章 自覚―――……。
「宏――…樹…?「生まれて来てくれて!!ありがとう!!」
「――――――――…ぇ…」
抱きしめられながら……
僕は、照井君の胸の中で…その言葉を聞く――――…
強く抱きしめられながら…
強く…
強く――――――――…
じわじわと――――――…
言葉が…染み込む…
僕も――――…
照井君の背中に腕を回し…
ギュッと…抱きしめる……
「家族に…僕は、見えてない…けどね…」
だから…
勉強で……成績で…
「――――…苑心…惚れたての俺に言われるのは…なんか…違う気がするかも…だけど…
俺は…苑心しか…見えてね〜状態だから……」
「―――…宏樹…///…――…
あ…ありがとう―――…」
照井君の言葉に…救われてしまった――――――…が…
ここは…路上…
朝…早い時間帯ではあるが…
人通りはゼロではない…
