
山岸君と照井君
第16章 自覚―――……。
「はぁ?天国って―――…」
照井君は、困ったような…嬉しそうな顔をした―――…
「ほら、座って!座って!
早く食べないと!遅刻しちゃいますよ?」
「はい!!」
僕は、進められた椅子に座り!!テンションが上がる!!
目の前には…
白いご飯!味噌汁!キュウリの浅漬けに、だし巻き玉子、ほうれん草のおひたしに、紅鮭、里芋の煮物、豚の角煮!!もずく酢に、トマトサラダ!!
「うぁ!!お母さん…なにこの朝ごはんのおかずの量…なに?パーティー?」
僕が目の前の、庶民おかずに目を輝かせていると――…
お母様に…雰囲気が似ている女性が入ってきた!!
「ん?あれ?宏樹…お帰り…ん?え?お客さん?」
「あっ!!初めまして!!
宏樹…さんの……学友の、山岸苑心です!!」
女性の出現に―――…僕の中に緊張が走る―――――…
「あ〜…、苑心…これ――…俺の姉ちゃん…
これでも一応…大学一年」
「これでも!とは、何だ!
一応!君たちのOBなんだから〜!先輩って読んでいいのよ?」
お姉―――…様…
あっ!照井君…そんな事を言っていた気が!!
「大学一年…ですか…
どちらの大学ですか?女子大とか?」
