
山岸君と照井君
第16章 自覚―――……。
「苑心…良かったな…」
「宏樹……ありがとう…」
多分僕は――――…
お父様、お母様、お姉様に…
奇妙な子だと…
思われているだろうなぁ…
こんな…当たり前の…朝ごはんにテンション上げたり…
旨い!旨い!と…涙を溜めて喜んだり…
じゃがいもと玉ねぎの味噌汁を食べるのは初めてだとか…言ったり…
変な子だと…
しまいには……弁当を抱き締めて“ありがとう”って…
どんだけ…
食に貧しい子だよって……
思ってるだろうなぁ…
「―――…また、食べに来なさい…」
お父様が…僕の頭をポンポンと触る―――――――…
こ…これ…
照井君が―――――…
僕が不安になったときに…
やってくれる…ポンポン…
不思議と…ス―――っと…
不安が消えた……
「はい―――――…」
僕は―――――…
自然と…
笑顔になっていた―――…
