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山岸君と照井君

第28章 無言の別れ―――…


苑心の手が―――――…


…床に落ちる――――――…






「米屋―――…米屋…


苑心を……苑心を…………」



米屋の肩が震え―――――…


苑心から――――…離れる――…






「苑心―――…苑心…」



米屋は…






震えながら……



座り込み…

土下座をする様にうずくまる―――――…




「ぅ…ぅぁ…う゛…うっ…うっ…苑君―――――…

苑君―――――――――…
ど〜して…君は……


笑えるんだ――――――…

私ではなく――――…


アイツを見て…


死を…共にしようとするんだ―――――――――…


無理じゃないか…


君を…愛しても…

殺しても…


苑君は…私のモノには…ならないじゃないか―――…」


米屋は…横たわる…苑心に土下座をし…泣きじゃくる……






「――――…苑―――…心?」




だらりと…横たわる苑心の姿を…



俺は、確認したくて…身体を動かすが…



心臓を突き刺す痛みが全身を駆け回り!!



涙を流すことしか…できない…




苑心の身体は動かず………


まるで―――――――…








「―――…誰か!!

だ―――…誰か……苑心が…えん…しんを――――…助けて……くだ――――…さい…」





全身を切り裂かれ…おれ自身が死んでもかまわないと…思ったら―――――…




俺の口から…獣のような唸り声が出た――――――…






次の瞬間!!




悪魔を招き入れてしまった玄関が開き――――――…




「苑心!!」





と――――…呼ぶ声がした…



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